中央労働災害防止協会が主催した「心の健康作りシンポジウム(平成27年度)」に、シンポジストのひとりとして登壇してきました。「銀座ブロッサム」という、かなり大きな会場だったので、少し緊張しました。
今回のシンポジウムは「ストレスチェック制度における実施体制とそれぞれの役割」と題して行われ、ストレスチェック制度をどのように導入し、どのように職場のメンタルヘルス対策に活用していくかというテーマで議論が行われました。
ストレスチェック制度にはいろいろな効果が期待されていますが、同時に、いろいろな問題点も指摘されています。最も重要な指摘は「ストレスチェックをただ単に法定どおり実施するだけでは、十分な予防対策にはならない」という点です。ストレスチェックをきっかけにして、従来のメンタルヘルス対策を見直したり、新しい取り組みを実施するなど、全体的な対策を考えることが重要だとされています。
しかし、どのような対策を行うかについては、「これが唯一の正解」というものはなく、それぞれの会社、事業所、職場ごとに、効果的な方法は異なってくると思われます。
特に、働きやすい職場作りの活動や、職場環境改善などの取り組みは、必ずしも「健康管理部門が」「メンタルヘルス対策として」実施しなくてもよいのです。どのような方針で、どういった部門が、どのような手法を用いて取り組むかは、それぞれの企業によって効果的な方法が変わってきそうです。
中災防の実施する「心の健康作りシンポジウム」は今年で10回目だそうです。シンポジストの先生方や会場の参加者と意見交換する中で、5年後、10年後に、この制度がどのように活用され、職場のメンタルヘルス対策がどのように発展しているだろうかと、少し楽しみになってきました。