2013年7月13日に日経文庫から「職場のメンタルヘルス入門」という書籍を出版しました。
3月に出版した「メンタルヘルス不調者 復職支援マニュアル」は、人事担当者や産業保健スタッフ向けの内容でしたが、今回の「職場のメンタルヘルス入門」は、働くすべての人にむけて、働く人のメンタルヘルスケアについて解説したものです。
メンタルヘルス不調の早期発見や、休業・復職支援だけでなく、職場のメンタルヘルス不調の発生予防にどのように取り組めばよいかという部分に力を入れて解説しています。部下を持つマネジャーの方や、組織の人的資源管理を行う部門の方に、ぜひ読んでいただきたいと思います。
内容の紹介
本書の内容を簡単にご紹介します。全国の書店の「日経文庫」のコーナーに並んでいるので、ぜひお手に取っていただければ幸いです。また、Amazonからも購入できます。
第1章 職場のメンタルヘルス不調
職場で出会うさまざまなメンタルヘルス不調について、その症状や治療、職場での対応についてわかりやすく解説しています。うつ病・うつ状態・抑うつ状態、睡眠障害、自律神経失調症、不安障害、適応障害、双極性障害など、よく「診断書」に書かれている病気について説明しています。また、最近、職場で問題になることの多い「いわゆる新型うつ病」や「発達障害」などについても簡単に解説してあります。
第2章 メンタルヘルス不調を防ぐストレス対策
職場のストレスを和らげるために自分でできる対策について解説してあります。ネガティブな「つぶやき」に気づいて対処する認知再構成の技法、漸進的筋弛緩法や呼吸法などのリラクゼーション技法、人間関係のストレスを見つめ直す対人関係療法的な技法や、自分の気持ちや考えを素直に表現するアサーティブネスの技法などを紹介しています。
第3章 職場で取り組むメンタルヘルス対策
職場と組織を「元気にする」ことでメンタルヘルス不調を予防しようという、「ポジティブなメンタルヘルス対策」について解説しました。特に、部下のマネジメントを適切に行い、職場のストレスを減らすためのマネジメント・コンピテンシーについて、英国の調査結果を元に解説してあります。そうしたマネジメント行動を促すための「コーチング」「行動科学マネジメント」「コンフリクト・マネジメント」について紹介しました。
さらに、いきいきとした職場作りに従業員全員で取り組むための「職場環境改善活動」や「組織活性化」の取り組みや、こうした「職場の活性化」「個人の活性化」対策を、どのように企業の経営課題に組み込むべきか、関連部門がどのように連携すべきかという点についても述べています。
第4章 メンタルヘルス不調者の早期発見・早期対応
メンタルヘルス不調の兆候に早めに気づき、早めに適切な対応を行うためにどうすればよいか、特にマネジャーがどのように対処すべきか、場面ごとに事例を挙げて解説しています。本ブログでも紹介している管理監督者向けメンタルヘルス研修マニュアルの内容にも触れています。また、社内の健康相談窓口をどのように設ければよいのか、従業員のプライバシーをどのように守ればよいかについても述べています。
第5章 メンタルヘルス不調者への対応と復職支援
メンタルヘルス不調で休業している社員への対応や、復職支援の進め方を、休業開始から復職判定、復職プランの準備、復職後のフォローアップまで、場面ごとに解説しています。本ブログで紹介しているメンタルヘルス不調者の職場復帰支援マニュアルや、拙著「メンタルヘルス不調者 復職支援マニュアル」の内容をわかりやすく解説しています。