職場の環境改善のためには現場の従業員の「気づき」が大切。となりの部署ではどんなところに気をつけているのか、身近な「良好事例」に目を向けよう。
突然ですが、皆さんの職場は安全で、快適ですか?
例えば今、震度6の地震が起きたとしたら、身を隠す場所はありますか? 棚が倒れてくる心配はありませんか? 避難通路をふさぐ邪魔なものはありませんか? 雨の日に足下が滑りませんか? 風の強い日に机の上の書類が飛んでいったりしませんか? 落ち着いて休憩できる場所はありますか? 明るさや温度は快適ですか? 机と椅子の高さは体にあわせて調整されていますか?
面談などで職場にうかがったとき、支店長や所長と一緒に産業医がウロウロしている姿を見かけた人もいるかもしれません。職場の安全性や健康に与える影響について、産業医が現場に出向いてチェックすることを「職場巡視」といいます。職場巡視は法規で定められた産業医の重要な業務のひとつです。職場巡視を行ったあとは、次のような報告書を現場にお返ししています。
2004年度には約30カ所の職場巡視を行いました。大阪地区は営業などの拠点が各地に点在する分散職場です。職場の規模や設備は似かよっていますが、それぞれ少しずつ状況が異なっているところもあります。
職場環境の改善を行うためには、外部から指摘を受けるだけではなく、現場の従業員の意識を高めることが重要だと言われています。そこで、これまでの職場巡視の中から「これはよい!」という場面をたくさん集めた「職場巡視良好事例集」を作成しました。となりの職場の「よい部分」を知ることで、自分の職場の改善にも目を向けていただければと思います。これからも、職場巡視の中でみかけた良好事例を積極的に紹介していきます。
※職場巡視報告書、良好事例集ともに縮小画像のみ表示しています。
(この記事は、私が専属産業医として勤務している会社で、全社員に向けて毎週配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。)