「失敗学のすすめ」という本の中では、失敗の情報を共有して原因に学ぶことが技術の発達や組織の成長に重要であると説かれている。
最近、『失敗学のすすめ』 (畑村洋太郎、講談社文庫) という本を読みました。「失敗の情報を共有してその原因に学ぶことが、技術の発達や組織の成長にとって重要である」ということが書かれています。歴史的な大事故や企業の不祥事を例に、失敗の原因やその背景について解説されており、リスクマネジメントの観点からも参考になる本です。
この本では、自然災害への対応の事例も取り上げられています。自然災害そのものを防ぐことはできませんが、災害に対して適切な備えや対応が行われたかどうか、大いに分析し、教訓とすべきだと述べられています。
最近は大規模な地震が多く、当社でも大きな被害を受けた拠点があります。その被災状況を撮影した写真を、社内のイントラネットで見ることができます。いつも見慣れた事務所の光景の変貌ぶりはとても衝撃的です。
◆○○支店の被災状況
http://イントラのアドレス
地震対策については、産業医による職場巡視でも重点的にチェックを続けてきました。しかし残念なことに、事務所内のキャビネット、ロッカールーム、倉庫など、棚の転倒防止処置が完全に行われているところはそれほど多くありません。
先日行われた安全衛生委員会で、○○部から次のような報告がありました。本年度に入り、事務所内の棚の固定を中心とした地震対策に乗り出すことになり、地域に点在する拠点への調査がほぼ完了したそうです。
縦割りの会社組織の中では、このように中央から一斉に対策を行うことはとても有効です。壁面固定などの本格的な対策はもちろん、すぐに行える応急処置的な対応も含めて、迅速に、かつ継続的に展開されることを期待しています。今後はこの取り組み事例をもとに、他の地域、部門へも活動を広げていきたいと考えています。
(いつものことですが、写真と本文は関係ありません)
この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。