職場復帰支援Q&A:体調についてたずねても教えてくれない社員

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質問:体調についてたずねても教えてくれない社員

実際には腹痛や吐き気などがあって会社を休んでいるようですが、産業医面談などでは「元気です」としか言わない社員がいて、対応に困っています。

回答:プライバシーの保護について改めて説明し、会社を休んだ事実を客観的に指摘した上で体調などを聞き取る

産業医面談などで質問しても、「元気です」、「大丈夫です」などと帰ってくる言葉が少なく、あまり話をしてくれない方もいます。その理由はさまざまです。例えば、自分の体調不良や欠勤について触れられたくない人、産業医を含め会社の人に体調について話をすることに不安や抵抗を感じている人、ただ面談を面倒くさがっている人、産業医に体調面の詳しい話をしても何のメリットもないと考えている人、体調について振り返って考えることがもともと得意でない人など、いろいろな場合があります。

 この質問では、職場や上司からの情報で「本人が会社を休んでいる」ということを把握しているようです。まずは、本人以外の情報源から、どのくらい会社を休んでいるのか、客観的な情報を入手しましょう。休む頻度が月に1回程度であり、出社しているときは普通に業務を行っているのであれば、健康管理上も労務管理上も大きな問題ではないと言えます。つまり、あまり詳しい状況を把握していなくても、様子を見ていればよい状況です。しかし、休む頻度や日数が多くなっていたり、出社しているときも、体調がつらそうにしていたり、業務上の支障が出ていたりする状況であれば、会社としては安全配慮義務を適切に果たすため、「産業医の意見を聞いた上で、健康管理上、必要な措置を講じる」必要が出てきます。

 本人から話を聞くときには、あらためて「この場で話したことについて、本人の同意なく、上司や人事担当者に情報を伝えないこと」を説明しておきます。その上で、会社を休んでいる客観的な事実を指摘し、その時はどんな体調だったのか、病院に行ったのかどうか、体調がどう回復したのか、話を聞くようにします。あわせて、最近の体調全般や業務内容などもたずねます。

 それでも、本人があまり話をしてくれないことも十分に考えられます。その場合は、正直に話をするように強要するのではなく、「あまり話をしたくないのは分かった。ただ、体調のことが心配なので、何かあればいつでも相談してほしい。また、しばらくしても勤怠があまり改善しない時には、再度、産業医面談を行うこともある」と伝えて、いったんは様子をみるのも手です。

 ただし、しばらく様子を見る場合も、「就業制限の要否」や「出社継続の可否」についての検討は実施しておきましょう。それぞれについて必要なことがあれば、本人の同意を得た上で(あるいは、個人情報保護の例外に相当するような場合であれば、同意を得るように努力した上で、同意が得られなくても)上司や人事担当者に必要な対応について報告しておきましょう。

 いろいろな情報を得たうえで、本人の体調不良や勤怠不良については、再度、アセスメントを行います。どんな体調不良が起きているのか、どんな診断が行われ、どんな治療を受けているのか、また、体調不良が続いている原因は何か、勤怠不良や業務上の問題を少なくするためにできることは何か、業務上の要因や職場の環境、また、プライベートの出来事と関連していないか、など、さまざまな視点から検討します。その上で①本人の体調不良や勤怠不良に関連する要因(医学的な要因、職場の要因、プライベートの要因のそれぞれ)、②医療的に必要な対応、③職場で必要な対応、④プライベートの問題の対応のそれぞれについて整理するとよいでしょう。

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