職場復帰支援Q&A:産業医との面談や健康管理室とのやり取りを拒むケース

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質問:産業医との面談や健康管理室とのやり取りを拒むケース

 現在、メンタルヘルス不調で休職中の社員ですが、産業医や健康管理室との連絡を極端に嫌がっている人がいます。復職支援のために必要だと説明しても、プライバシーや個人情報などに非常に敏感なようで、なかなか本人の信頼が得られず、面談につながりません。職場や周囲への不信感が強く、周囲との人間関係のトラブルや業務上のトラブルが続いている事例です。対応の留意点を教えてください。

回答:連絡をとる頻度や方法を人事担当者と本人で決め、産業保健スタッフがそのルール通りに対応する

対応が難しい事例に対して本人の希望する通りの扱いをしてしまうと、本人の「強く主張すれば自分の主張が通る」、「やはり自分の主張の方が正しいのだ」という思い込みを助長し、そうした言動を強めてしまうことがあります。そこで、人事担当者などと連携して、社内のルールに沿った一般的な対応を確実に行えるようにします。以下のような手順を参考に進めていくのがよいでしょう。

  1. 人事担当者・上司などの関係者を集め、本人への対応方針や対応方法(下記)を共有する
  2. 休業者の円滑な復職支援のために、休業中の健康状態や治療状況の確認は会社としての基本的な対応であること、また、本人が話した内容は社内規定にのっとってプライバシーを守って適切に管理されること、これらの情報は社内の産業看護職と産業医のみが取扱うこと、体調を考慮して当面はメールや短時間の電話で連絡を行うこと、その他に、定期的な診断書の提出が必要であること、産業看護職との定期的な連絡による体調確認や復職前の産業医面談を行うことが復職の欠かせないステップであることなどを、人事担当者から本人に説明し、書面でも伝える。
  3. さらに人事担当者は、どのような頻度でどのような手段で連絡をとるのかを本人と決める。連絡の頻度は1ヶ月に1度程度にする。連絡がとれない状況が2週間以上(あるいは1ヶ月以上)続いたら、人事担当者が自宅を訪問するか、家族や実家などに安否確認の連絡を入れることを伝え、それぞれの連絡先を確認しておく。
  4. 健康管理室は、人事担当者(会社)と本人の取り決めに従って定期的に本人と連絡を取る。連絡が取れない場合はその旨を人事担当者に連絡する。連絡が一定期間以上とれないときには、あらかじめ取り決めた対応を行う。

休業直後であれば、休業制度の説明とあわせて上記の対応を行うとよいでしょう。もし、すでに連絡を取りづらい状況になっているときには、人事担当者が自宅を訪問したり、家族と連絡を取るなどした際に、上記の説明を行い対応方針を切り替えるという方法がよいでしょう。

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