質問：不調の原因が取り除けない場合の対応
復職支援において、体調不良の要因となったものを取り除けない場合、復職できないのでしょうか。そのような場合に、本人が退職を退職を希望する場合に、退職させてもよいでしょうか。会社から退職を促すことはできるでしょうか。
回答：不調の原因を取り除かないと復職できないと考えかたは、復職の可能性を狭めてしまうおそれがある
本人や職場が「体調不良の原因を取り除かない限り復職できない」と考えてしまうと、復職の可能性を狭めてしまうことがあります。
復職にあたっては、「まずは会社側が環境調整をし、次に、本人にも努力を求める」という順序で対応します。つまり、会社側は、体調に配慮をして、負担が少なくなるような業務調整を行います。そして本人には、復職後に体調を崩さないで仕事ができるように、仕事のしかたや体調管理を工夫するように促します。
産業保健スタッフの役割は、職場や主治医と連携しながら、そのような工夫をうまく行えるように本人や職場をサポートすることです。法律的には、本人が希望する場合にはいつでも退職は可能ですし、会社も一定の条件で退職勧奨をすることができます。しかし、治療と就労の両立支援の考え方からしても、退職はあくまでも選択肢のひとつであることが望ましいでしょう。
