世の中にはいろいろなストレスマネジメントの方法があります。その中から、ストレスのうまれる仕組みに注目した、「ストレスの多い考え方」を「ストレスが小さくなる考え方」にしていく方法について、数回にわたって紹介していきます。
ストレスは「自動思考」から生まれる
ストレッサー(ストレスの元になる出来事や人物)に遭遇したとき、私たちは瞬間的に「イヤだ」という気持ちを感じます。この反応は一瞬のうちに行われますが、ストレッサーに遭遇してから感情が生まれるまでの間に、実はもうひとつ重要なステップがあるんです。
それは「自動思考」というステップです。自動思考というのは、外界の物事を解釈するために、頭の中に瞬間的に浮かんでくる考えのことです。少し頭の中に注意を向けてみると、私たちはふだんから、いろいろと独り言を言っていることに気づくでしょう。それが自動思考です。
外界の情報は、この自動思考によって処理され、最終的に「感情」や「気持ち」や「判断」が生まれてきます。どんな場面でどんな自動思考が起こるのかは、その人の過去の経験や現在の状況などによって違いが生まれます。
自動思考と感情の関係
さて、次のような状況で、みなさんはどのような気持ちになるでしょうか。そのときに、頭の中ではどんなことを考えているでしょうか。
ある状況に出くわしたときには、いろいろなことが頭の中に浮かび、その結果として、さまざまな気持ちが生まれます。
以前、このブログでも紹介したように、否定的・悲観的な考え方が強いと、マイナスの感情が生まれ、ストレスの元になります。ストレスが多い人は、知らず知らずのうちに否定的な考え方をしてしまうクセがあります。次回は、ストレスの元になる代表的な思考パターンについて紹介します。
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この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。