災害時のこころのケア

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今回の大震災では、東北地方を中心に、北海道・関信越地方・静岡県など広範囲に被害が及び、いまだ多くの方が被災しています。今なお続く深刻な状況に心が安まらない思いをしている方も多いと思います。このような脅威的なストレスにさらされることで、身体的・精神的な疲労が続き、心の不調をきたすことがあります。

独立行政法人労働者健康福祉機構が作成した「職場における災害時のこころのケアマニュアル(PDFファイル 444KB)」には、このような時に役立つヒントがいろいろと書かれています。以下、その内容についてご紹介します。災害時のメンタルヘルスケアにお役立てください。

また、会社の衛生管理者、産業保健スタッフ、従業員の健康管理を担当している方などは、ぜひ、前述のマニュアルをご一読なさってください。

災害ストレスによって起こる心身の反応

災害を経験した後には、以下のようなさまざまな心身の反応がおこります。災害後、数日~1ヶ月程度経過した後に起こることもあります。こうした症状が続いている場合には、医師に相談しましょう。

・感情の変化:悲嘆、落ち込み、感情の麻痺、混乱
・身体の変化:不眠、頭痛、腹痛、湿疹、高血圧、息苦しさ、発汗
・感覚の変化:注意力・判断力の低下、過度の緊張感、身構え、悪夢
・行動の変化:睡眠障害、食欲の変化、飲酒への依存、引きこもり

災害ストレスからおこる精神的な影響について

以下の症状が現れた場合には、ひとりで解決しようとせず、精神科医・心療内科医・カウンセラー・社内の健康管理スタッフなどに早めに相談することが大切です。

急性ストレス反応:急性のストレスがかかると、心臓がドキドキしたり、冷や汗をかいたり、その場から逃げだしたくなったり、妙に感情が落ち着いてしまったり、逆に不自然にはしゃいだりすることがあります。こうした反応はおよそ1ヶ月以内に消失します。

外傷後ストレス障害(PTSD):災害から1ヶ月がすぎても、神経の高ぶりがおさまらず、些細なことに過敏になったり、災害時の様子が頭に焼きついてはなれなくなることがあります。約半数は3か月以内に回復しますが、それ以上続くこともあります。

うつ病:身体的疲労や精神的疲労が続くと、うつ病の発症の引き金になります。うつ病は睡眠障害を伴うことが多く、夜中に目が覚めて眠れなかったり、朝早くに目が覚めたり、寝つきが悪くなったりします。憂うつな気分になったり、食欲がなくなったり、何をしても楽しくなくなったりします。

回復のためのアドバイス

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災害を経験した後で、こうしたさまざまな変化が起こるのは、あなただけではありません。誰もが経験する、自然で正常な反応なのです。なげやりになったり、やけをおこしたりして、状況を悪化させないようにしてください。

しばらくは一人にならず、家族や仲間など安心できる人たちと過ごすようにこころがけましょう。睡眠・食事・休養など規則正しい生活を心がけましょう。過度の飲酒は控えましょう。ショッキングな映像やニュースを見続けているとストレスが増加します。時には意識的に心身を休めるようにしましょう。

一人で悩まず、周囲の人や専門家に相談しましょう。ストレス反応は災害後、数日~1ヶ月たってから起こることもあります。また、症状にも波があり、いきつ戻りつしながら回復していきます。

TVやラジオから正確な情報を入手し、不確かな情報に惑わされないようにしましょう。また、不確かな情報を広めないよう注意しましょう。