さまざまな企業が、それぞれの組織の中でメンタルヘルス対策に取り組んでいます。しかし、休業者の職場復帰支援ひとつにしても「うまくいかない」と悩んでいるところが多いようです。
企業のメンタルヘルス対策、特にメンタルヘルス事例の対応(ケースマネジメント)には「人」と「仕組み」の両方を整備する必要があるだ、というのが僕の考えです。それでは、どのような人と仕組みが必要なのでしょうか。以下、僕がお世話になった先生の受け売りです。
メンタルヘルス事例対応の担当者として必要な人
- 職場の中のことを知っている人
- メンタルヘルス不調の病態を把握し、主治医や本人から情報を得られる人
- 人事や職場からも情報を得られる(得ようとする)人
- 得た情報を適切に判断し、対応のポイントを人事に説明できる人
メンタルヘルス事例対応に必要な仕組み
- 担当者が本人と継続して面談できる仕組み
- 上司、現場、人事、担当者の間で、情報のやり取りができる仕組み
- 大事なことは紙に残る仕組み
こうした「担当者」の配置方法や「仕組み」の作り方は、企業の規模や、事業所の人数構成、産業保健スタッフの体制によっても異なります。例えば「事例対応の担当者」を産業医がつとめている企業もあれば、看護職や臨床心理士がその役を担っている企業もあります。