質問:復職に消極的な社員を退職させてもよいか
復職に消極的で、なかなか復職する意欲が出てこない社員がいます。本人に退職の意向があるときは、休職期間の満了を待たずに退職させることも検討したほうがよいでしょうか。
回答:退職することも選択肢のひとつだが、トラブルを避けるためにはいくつか注意が必要
退職することは労働者の権利のひとつであり、退職意志のある労働者を不当に引き止めることはできません。休職期間中に退職することも選択肢のひとつですが、トラブルを避けるためには以下の3つの点に注意が必要です。
- 休業・治療によって、体調がある程度回復していること。治療を開始したばかりの頃は、まだ正常な判断ができない状況と考えられるため、退職など大きな決断をするべきではないと考えられます。
- 主治医が退職について理解しており、退職後も治療を継続してくれること。本人と主治医との間で退職について話し合っており、退職という選択肢について主治医も一定の理解を示していることが望ましいです。もし、病状の面から、退職を検討することが時期尚早であれば、主治医から本人に「もう少し待ったほうがよい」とコメントがあるはずなので、本人に確認してみましょう。
- 家族が退職という選択肢について理解していること。本人と家族の間で退職について話し合い、家族も、退職という選択肢について理解していることが望ましいです。
このうち2.や3.については、産業医などから主治医に書面で問い合わせたり、家族を交えて人事担当者と本人とで面談を行ったりして確認する方法もあります。