病院が怖い、薬もイヤだ!

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病院に行くのはイヤだ、苦い薬を飲むのはイヤだ、と子供のころに泣きわめいて、両親を困らせたことはありませんか。診察後にアメを与えたり、薬をシロップに混ぜたり、子供をなだめるために大人たちはいろんな工夫をしたものです。

ところで、もしかして、今でも健診後の面談で、病院に行くのはイヤだ、薬を飲むのはイヤだ、と産業医を困らせていませんか? いや、実はホントのことをいうと、最終的に困ったことになるのはあなた自身とあなたの家族で、産業医はちっとも困らないのですが、医師としての倫理感と人道的な立場から、病院や薬がきらいな人のために、ちょっとだけ話をします。

病院がきらいな人、例えば健診で指摘を受けたのに再検査に行かない人は「病気だったら怖いから」などと言います。自分が何を怖がっているのか、よくわかっていない人たちです。検査をして病気が早く見つかることと、病気の発見が遅れて手遅れになることの、どちらがより怖いのか、冷静に考える必要があります。

薬がきらいな人の中にも、自分が何を嫌がっているのか、実はよくわかっていない人たちがたくさんいます。高血圧の薬を毎日きちんと飲むことで、老後に寝たきりにならずに済むとしたらどうでしょうか。祖父母や両親など、身近な人の介護をした経験がある人は、「寝たきりになる」ということがどういうことか、よくわかると思います。

大人が子供の一番の違いは、大人は自分の行動に責任を持たねばならないという点です。そして、行動を選択するときには、選択を裏付けるだけの理由と、その根拠となる正しい情報が必要です。自分にとって最良の選択とは何か、決断するだけの情報が足りないと思ったら、ぜひ産業医におたずねください。

(この記事は、私が専属産業医として勤務している会社で、全社員に向けて毎週配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。)