メンタルヘルス不調者の職場復帰で注意することは「復帰直後にふつうの仕事はさせないこと」「段階的に業務負荷をあげていくこと」です。
なぜなら、復職開始直後の回復レベルは「何とか毎日出社できる状態」にすぎず、通常業務に耐えられる体力や集中力、注意力などが十分に回復するには、さらに時間がかかるからです。
今後6ヶ月間のプランをたてる
産業医や主治医の意見を参考に、会社の規定に沿って、「当面6ヶ月」程度の職場復帰支援プラン(復職プラン)を作りましょう(下図のPDF版)。
人事担当者・上司・産業保健スタッフとで十分に相談し、本人の体調や現場の状況にあわせた具体的な計画を作ることが大切です。
復職プランの文書化
復職プランを関係者に理解してもらうためには、きちんと文書化しておくことが重要です。
就業制限、業務内容、本人の体調を観察するポイント、上司のサポートの内容や方法、産業保健スタッフによるフォローアップの方法、就業制限の見直しを行うタイミングなど、具体的に決めておきましょう(下記書式のPDFファイル、Wordファイル)。
復職プランを記入した書類には、プライバシーに関わる健康情報が含まれています。開示者を限定するなど、適切な取り扱いルールを定めておきましょう。
「まずは元の職場への復帰」の原則
厚生労働省の「職場復帰支援の手引き」によると、職場復帰の際は元の職場へ復帰することが望ましい場合が多いとされています。
なぜなら、良かれと思って配置転換や異動を行った場合でも、新しい環境に適応するための心理的負担が、病気の再発に結びつく可能性が指摘されているからです。
しかし、発症の背景や職場の状況などを総合的に判断し、配置転換の必要性を検討することが望ましい場合もあります。「原則」を理解した上で、個別の対応が必要です。