
最近、Googleの生成AI「Gemini」が大幅にバージョンアップし、特に画像生成の性能が上がったという話題をよく目にします。産業保健の現場では、説明用の図や研修資料を短い時間で準備する必要があり、「もっとわかりやすい資料を作りたい」と思いながらも、時間が足りないという悩みがよくあります。そこで今回、実際にどれくらい実用的なのかを確かめるため、Geminiを使って復職支援の図解づくりに挑戦してみました。
Chat GPTの画像生成は以前から使っていたのですが、Geminiの画像生成、特に、日本語の処理がかなり進化したときいて、早速使ってみました!
ラフスケッチを渡すだけで、ほぼ完成系に近い画像が!
ちょうど、メンタルヘルス不調からの回復段階を示す図が必要な場面があり、まずはiPadで簡単なラフを描きました。その画像をGeminiに読み込ませ、「この下書きを元に、メンタルヘルス不調の回復の段階を示す模式図を書いて」と依頼したところ、最初の1回目から驚くほど雰囲気の良いイラストが出てきました。
ただ、日本語の注釈を文字として入れてしまったり、人物の統一感が少し弱かったりと細かい気になる点はありましたが、「文字をすべて消してください」「人物は同一人物として統一してください」と追加で指示すると、すぐに修正してくれます。

3ステップで短時間でも「80点以上」の図が完成
最終的には、Geminiから出力したこれらの3枚の画像を画像編集ソフトで読み込み、それぞれの良い部分だけを組み合わせながら、必要な文字を自分で加えて仕上げました。Geminiで再描画を何度も繰り返すと、細部が少しずつ崩れることがあるため、生成AIだけで完成させようとせず、画像編集ソフトで切り貼りしながらまとめる方法が扱いやすいと感じます。
●【ステップ1】iPadでラフを描く (紙に描いたラフを写真に撮ってもOK)
●【ステップ2】Geminiに読み込ませ、数回指示して調整
●【ステップ3】複数の画像をダウンロードし、画像編集ソフトで切り貼りし、文字や説明を加える
たったこれだけで、講義資料にも復職支援の説明にもそのまま使えるレベルの図が完成しました。手描きで最初から作ると数時間かかるところを、わずか数十分で「十分実用になる図」に仕上げられたのは、大きな時短効果だと感じます。
正直いって、あんな簡単なラフ画像から、わずか1〜2分でこのクオリティの画像が生成されたのには、本当にびっくりしました! 汚い手書きの文字もちゃんと認識してくれています。
細かな不自然さはあるが、用途によっては十分使える
生成AI特有の“わずかな不自然さ”はありますが、研修スライドや説明資料など、「一度だけ使う図」には十分すぎるクオリティです。逆に、細かい描き込みや表現の精密さが必要な場面では、人の手による調整が必要になります。
とはいえ、全体の構成や下地をAIが素早く作ってくれるので、最後に整えるだけで完成に近づきます。これだけでも資料作成の負担はかなり減りますね。
図だけではなく、もちろん文章作成にも生成AIが大活躍
今回は図解づくりだけでなく、この記事の草稿も音声入力でざっと書き、AIに整えてもらい、最後に自分で調整して仕上げました。アイデアを形にするまでの時間が圧倒的に短くなり、文章と図解を同時に効率よく作れる点は大きなメリットです。
産業保健の現場でこそ、生成AIは大きな力になる
産業保健の現場では、
● すぐに図解を作りたい
● 説明をわかりやすくしたい
● 限られた業務時間を効率よく使いたい
といったニーズが多く、生成AIが資料づくりを大きく助けてくれると実感しました。
研修資料、復職支援の工程図、生活習慣病の行動変容ステップ、安全教育の図解など、応用できる場面は無数にあります。
例えば「社員にわかりやすく、専門用語をあまり使わずに書き直して」とか、「健康づくりにあまり興味がない人にも読んでもらえるように書き直すにはどうしたらいい?」など、文章の手直しの際に生成AIの力を借りると、短い時間で表現力が劇的にアップします。
まとめ
今回の体験を通じて、生成AIが資料作成やコミュニケーションの形を確実に変え始めていると感じました。産業保健スタッフにとって、AIを適切に使いこなすスキルは、新しい“武器”になりつつあります。まずは、現在作成中の資料を「社員にとってわかりやすく書き直して」とか、「もっと興味を持ってもらえるようにするにはどうすればいい?」「誤字脱字はない?」と生成AIに聞いてみるだけでも、手応えを実感できるはずです。
限られた時間の中で、より良い支援を届けるための選択肢として、生成AIの活用はとても有効です。まずは手元にある資料を1つ選び、AIに書き直してもらうところから始めてみてください(※ ただし、生成AIに関する社内のルールを必ず確認の上でご利用ください)。




