この1年間で「Web会議」がぐっと普及しました。私も、日によっては何時間もWeb会議に参加することがあります。しっかりと声を相手に届けるために、ヘッドセットやイヤホンをつけているのですが、毎日、長時間つけていると、頭が痛くなったり、耳が痛くなったり、そんな悩みが出てきました。
そこで、私が今使っているのは、Aftershokz社が開発した「OpenComm」という通話用のブームマイクつきの骨伝導ヘッドセット。通話やWeb会議に特化したモデルです。購入から5ヶ月ほど使った感想をレビューします。
いいところ
ワイヤレスなので線がじゃまにならない
無線接続なので有線ヘッドセットよりもずっと快適です。ちょっと席を立ったり、後ろを振り向いたりしても、ケーブルを気にしなくてよいというのは便利です。会議の途中にお茶を入れにいったり、トイレに立ったりすることもできます。
長時間つけていても耳や頭が痛くならない
ヘッドホンを長時間つけていると頭が痛くなったり、イヤホンをずっとつけていると耳の穴が痛くなったりしますが、OpenCommは、あまり締め付けが強くないためか、長時間つけっぱなしにしていても耳や頭が痛くなることもありません。こめかみに「何かつけてる感」がありますが、作業に集中していると、それすら忘れてしまうことがあります。
周囲の音が聞こえる
ビデオ会議に参加しながらも周囲の音が聞こえるというのはいろいろと利点があります。家族の呼びかけ、飼い猫の呼びかけ、電話の音、宅急便の配達などを聞き逃すこともありません。また、密閉型のヘッドホンやイヤホンだと自分の声も聞こえにくくなって、少ししゃべりにくいのですが、OpenCommなら耳の穴をふさがないのでごく自然にしゃべることができます。
ビデオ会議の音が周囲に漏れない
PC内蔵のスピーカーや会議用スピーカーでWeb会議をしていると、会議の内容が家族に聞こえていないかと少し心配になります。社員との面談を行うこともあるので、プライバシー保護の観点からも会議中はヘッドセットを使っています。
通話のマイク音質が(十分に)良い
Bluetooth接続なので、音質面の劣化がどの程度かと心配していたのですが、ZOOMやTeamsなどWeb会議で使う分には十分な音質です。口元に伸びるアームの先端にマイクがついているため、しっかりと音を拾ってくれます。マイクを口元に近づける、というのがAirPods Proよりもマイク音質は良いですね。 さすが、通話用に設計されただけはある、という印象です。
音楽を聞いてもそこそこ音質が良い
骨伝導ヘッドホンは、普通のイヤホンやヘッドホンと比べて音質が悪いと思っていたのですが、OpenCommで音楽を聞いてみると、なんと「ふつうに聞けてしまう」レベルだったので驚きました。本格的に音楽鑑賞をする人には物足りないかもしれませんが、作業用BGM用や動画鑑賞用としては全く問題ありません。
つけていても目立たない
オンライン研修の講師が会議用のヘッドセットをつけていると、何だか少し違和感や距離感を感じてしまいます。これは好みや慣れの問題かもしれません。OpenCommはあまり目立たないので、カメラに映ったときの見た目も自然です。
いまひとつなところ
BluetoothのHSPプロファイル規格の音質がいまいち
これはBluetoothの規格に関する問題であり、 OpenCommが悪いわけではありませんが、音声通話に使われるヘッドセットプロファイル(HSPプロファイル)は、有線のヘッドホンやマイクと比べて、明らかに音質が悪いのが残念です。もっと音質のよい通話規格が存在していればいいのにと思います。
CPU負荷が高いときに音飛びすることがある
これもBluetoothに関する問題ですが、ビデオ会議中など、CPU負荷が高くなった時に音飛びすることがあります。これは、OpenCommをPC内蔵のBluetoothとペアリングしているときに起きやすいようです。そうしたトラブルを避けるためには、USBオーディオ機能のついたBluetoothアダプタを使います。私は、Nintendo Switch用のBluetoothアダプタをPCに接続してOpenCommとペアリングしています。
後ろにもたれたとき、椅子のヘッドレストとぶつかる
頭の後ろから装着する構造のためか、椅子やソファにもたれかかったり、ソファやベッドに寝転んだりする、後頭部のアーム部分がヘッドレストやクッションとぶつかってしまいます。くつろいだ姿勢で使うことはあまり想定されていないのかもしれません。
まとめ
「耳をふさがない」「長時間つけていても快適」「マイクの音もいい」「見た目も目立たない」「周囲の音も聞こえる」「ワイヤレス」など、オンライン会議にはぴったりの特徴を備えています。