質問:主治医と産業医が「復職可」と判断したのに、最終的に会社が「復職不可」と判断する事例はあるか
復職するかどうかの最終的な判断は会社が行うとうかがいましたが、主治医・産業医がともに「復職可」と判断している事例を、会社(人事など)が復職不可とする場合は、どんな事例でしょうか。
回答:主治医・産業医ともに判断が甘い場合や、復職のための調整に時間を要する場合などが考えられる
ひとつは、本人が復職を強く希望し、十分に回復していないのに主治医に頼み込んで「復職可」と書いてきたあとで、産業医が回復状況を十分に確認せずに主治医の診断書を追認してしまうケースが考えられます。生活記録表などを使って体力や生活リズムを確認していても、その判断基準を産業医と共有していない場合には、産業医も「主治医が許可しているから」という判断をしてしまうこともあります。そのような場合は、産業医に会社としての判断基準を伝えたうえで、改めて判断してもらうとよいでしょう。もしくは、別の産業医や契約医師等に意見を求めるという方法も考えられます。
また、ありがちなのは、産業医も主治医も「医学的には復職可」と判断しているが、復職のためには職場調整が必要であり、その調整を行うのに少し時間を要する場合です。その場合は「復職不可」というよりも、「復職の調整に時間を要するので少し待ってもらう」というような状況となります。ただし、長くとも1~2か月以内には復職できる環境を整える必要があります。会社の都合で自宅待機をさせているようなものですので、賃金の支払いなどを求められる可能性もありえます。