この記事はMac編です。Windows編の記事はこちらを参照してください。
新型コロナウイルスの流行に合わせてオンラインで会議を行うことが増えてきました。オンライン会議では、マイクのミュート機能を上手に使うことが重要です。よけいな雑音や生活音が聞こえないように、ふだんはマイクをミュートしておき、発言する時にだけミュートを解除することが推奨されています。
しかし、ときどき「ミュートを解除したつもりで解除していない」という事態が起きます。画面の向こうから「マイクがミュートになっていますよ」と指摘されて、最初から同じことをもう一度しゃべるということを、これまで何度か繰り返しています。
面倒くさがりの私としては、マイクのミュートを切り替えるたびにアプリを切り替えてマウスでボタンをクリックするとか、複雑なショートカットキーを押す、なんてことは避けたいものです。オンライン会議をしながらメモを取っていたり、他の資料を参照していることもあるので、こうしたミュート操作をわずらわしく感じます。
Zoomには、スペースキーを押している間だけマイクのミュートを解除するPush-to-Talk機能があります。しかし、この機能はZoomアプリをアクティブにしているときしか使えません。そのようなPush-to-Talk機能を、Macのどのアプリからも使えるようにするのが今回のチャレンジです。さらにStream DeckやUSBフットスイッチなどと組み合わせて、ワンタッチで(あるいは足で)ミュート操作ができるようにしていきます。
必要なもの
- Keyboard Maestro アプリ(さまざまな処理をワンタッチで実行できるようにするソフトです)
- (お好みで)Elgato Stream Deck (Amazonリンク)
- (お好みで)USBフットペダル(Amazonリンク)
- (お好みで)Karabinar Elementsアプリ(Macのキーボードの割り当てを変更するアプリ)
作り方
Keyboard Maestroを使って、F3キーでPush to Talkができるようにしてみます。以下のスクリーンショットのように、F3キーを押しこまれた時にミュートを解除するマクロと、F3キーを離した時にミュートするマクロの2つを作ります。
(1) F3キーが押しこまれた時にZoomでミュートを解除するマクロ
(2) F3キーが離された時にZoomでミュートするマクロ
マクロを作る時のポイントは、マクロの実行のトリガーを「F3 is pressed.」と「F3 is released.」のそれぞれに設定することです。キーが押しこまれた時、離された時のそれぞれで別のマクロが実行されるようにします。
また、F3キーを押しっぱなしにしているときに、キーリピート機能によってマクロが何度も実行されないように、”Pause Until F3 is up.” コマンドを使って、F3キーが離されるまでは処理を待機するようにしています。
もうひとつのポイントは、キーを押した時に確実にミュートが解除されるように、Zoomのショートカットキーを使うのではなく、メニューから「オーディオのミュート解除」を実行しているところです。これで、直前のミュートの状態にかかわらず、マクロが実行されたときに確実にマイクがオンになります。ただし、メニューを操作するよりもショートカットキーを使った方が素早く動作するので、再びミュートするときにはCommand + Shift + A というショートカットキーを使っています。
また、フットスイッチを使ってミュートを解除したときに、スイッチを踏んだときの「カチャ」という音が入らないように、ミュートを解除するまでに0.2秒のタイムラグを設けているのも細かい工夫です。
使い方
これで、Zoomでオンライン会議をしているときに、F3キーを押すとマイクがオンになり、F3キーを離すとマイクがミュートになります。さらに、Karabinar Elementsアプリを使って、右のoptionキーをF3キーに割り当てると、右のoptionキーをPush-to-talkに割り当てることもできます。もしくは、Stream DeckのボタンをF3キーに割り当てて使ってもよいでしょう。
最もおすすめの方法は、USB接続のフットスイッチを使う方法です。Amazonで1,400〜3,000円前後で販売されています。私が持っているのはルートアールのUSBフットペダルスイッチ RI-FP1BK(1399円)です。フットスイッチへのキー割り当てにはWindowsが必要になりますが、一度F3キーを割り当ててしまえば大丈夫です。
これで、足を踏み込んでフットスイッチを押している間はミュートが解除され、フットスイッチから足をどけると再びミュートされるというすばらしい環境が出来上がります。
これで、資料を見ながら、あるいはメモを取りながら、両手がふさがっている時でもフットスイッチを使ってオンライン会議のミュート操作ができるようになりました。