ホームシアターを目指していろいろ勉強していくコーナーの2回目です。今回は、テレビにつなぐ映像ケーブルについて調べてみました。
画素信号とケーブルの種類
テレビ画面は輝度信号(Y)という画面の明るさを表す信号と、色差信号(C) という色を表す信号とを組み合わせて表示されています。この信号を出力する方法によって、次のような種類の映像端子が使われています。
コンポジット端子 (普通のビデオ端子) |
輝度信号(Y)と色差信号(C)をひとつにまとめて出力する。信号の劣化が激しく、画質はそれなり。 |
S端子 | 輝度信号 (Y) と色差信号(C) を別々に出力する。コンポジット端子との差は歴然で、ずっと細やかな画面がうつる。 |
コンポーネント端子 | 輝度信号(Y)と2つの色差信号(Cb、Cr) を3本のケーブルに別々に出力する。画質の劣化は最も小さい。 |
D端子 | 画素信号はコンポーネント端子と同じだが、ケーブルを1本のにまとめ、映像の縦横比や走査線数などの信号を加えたもの。 |
さまざまな映像規格
走査線の本数(縦方向の解像度)と、インターレース方式・プログレッシブ方式の違いによって、テレビの映像は次のような規格にわけられています。それぞれの規格はD1~D5までのD端子規格と対応しています。
コンポジット端子とS端子で使うことができるのは、通常のテレビ放送で用いられている525i (D1) 規格のみです。D2~D5までの信号を用いるにはコンポーネント端子またはD端子が必要となります。
規格 | 走査線数 (有効走査線数) |
走査方式 | 映像 | D端子 |
525i | 525 (480) | インターレース | 現行のテレビ放送 | D1 |
525p | 525 (480) | プログレッシブ | DVD、クリアビジョン放送 | D2 |
1125i | 1125 (1080) | インターレース | ハイビジョン放送 | D3 |
750p | 750 (720) | プログレッシブ | 一部のハイビジョン放送 | D4 |
1125p | 1125 (1080) | プログレッシブ | 現在のところ無し | D5 |
プログレッシブ対応DVDプレイヤー
旧型のDVDプレイヤーはDVDの映像をインターレース方式でテレビに出力していました。最近になってコンポーネント端子やD端子を備えたプログレッシブ対応テレビが増え、DVDの映像をそのままプログレッシブ方式で出力することのできるDVDプレイヤーも登場してきました。
プログレッシブ対応テレビには、インターレース方式で入力された信号を補完して表示する機能がありますが、プログレッシブ方式の信号をそのまま表示するほうがずっとよい表示結果が得られます。プログレッシブ対応テレビを使う場合は、プログレッシブ対応DVDプレイヤーをコンポーネント端子かD端子ケーブルで接続しましょう。
ゲーム機をつなぐのに最適なケーブルは?
当然のことながら、利用できる最高のケーブルを用いると最高の結果が得られます。しかし、最低でもS端子ケーブルを使いましょう。通常のコンポジットケーブルと値段はそれほど違わないのに、画面がずっと鮮明になって快適に遊べます。
GAME CUBEとXboxのソフトの多くはプログレッシブ出力に対応しているため、プログレッシブ対応テレビを持っている場合はコンポーネント端子かD端子を使いましょう。残念ながらPlayStation2のソフトでプログレッシブ対応のものはほとんどありません。しかし、2003年5月に発売された新型PlayStation2は、ゲーム機としては唯一DVDのプログレッシブ再生に対応しており、DVDのプログレッシブ再生を楽しみたいならコンポーネント端子かD端子を使う必要があります。
まとめ
- 最低でもS端子を使おう
- プログレッシブ再生可能なDVDプレイヤーと、プログレッシブ対応TVがあるときはコンポーネント端子かD端子を使おう
- プログレッシブ対応のゲームソフトと、プログレッシブ対応TVがあるときはコンポーネント端子かD端子を使おう
- ハイビジョン対応の再生装置 (チューナー、ゲームソフトなど) と、ハイビジョンTVがあるときはコンポーネント端子かD端子を使おう