私は企業の産業医として勤務しており、関連部署と連絡を取りながら、従業員の安全と健康に関わるさまざまな仕事をしています。基本的には対面での業務が多いのですが、全国の事業所の担当者からの問い合わせや、遠方で療養している従業員との連絡など、電話で話をする場面もあります。
1日の電話の本数はあまり多くはありませんが、対応記録をきちんと残しておく必要があったり、いろいろな資料を確認する必要があったりと、受話器を片手にメモを取ったり資料をめくったりしています。しかし、片手で作業するのは何とも効率が悪く、常々、ハンズフリーで電話ができないものかと考えていました。
Plantronics MDA200 を使う
そんな時に見つけたのがPlantronics MDA200という製品です(Amazon価格 11,690円)。これはPC用の一般的なヘッドセットを、オフィスの内線電話(ビジネスフォン)につないでハンズフリー通話をするための装置です。
PC用のヘッドセットは、USBオーディオアダプターなどを用いてMDA200に接続します。私はPLANEXのUSBオーディオアダプターを使っています。また、付属のケーブルを用いてビジネスフォンと受話器とをつなぎ、さらにPCにUSB接続すると準備完了です。MDA200の裏面には初期設定用のスイッチがついており、私の場合は、スイッチC、スピーカー3、マイク4の設定で使用しています。
本体上部のボタンを押すと、PCと電話の間でヘッドセットの接続が切り替わります。PCに接続している時は、Skypeなどのソフトを使って会話ができます。ビジネスフォンに電話がかかってきたら、接続先を電話に切り替えて、受話器を上げて通話を行います。受話器を下ろすと通話終了です。ヘッドセットでの通話は、ビジネスフォンの受話器と比べると、少し違った感じの音に聞こえますが、音量・音質ともに良好で、実用に問題はありません。
ヘッドセットを使うと会話に集中できる
ヘッドセットを使うと、通話中に両手を自由に使えるので、PCを操作して必要な資料を素速く確認したり、メモを取ったりできます。また、楽な姿勢で通話できるため、会話により集中でき、短時間で密度の高いやりとりが可能になります。
たとえば、療養中の従業員と電話で相談をしているとき、以前は相談内容を走り書き程度にメモしておき、電話の後であらためて記録に起こすことが多かったのですが、ヘッドセットを使ってハンズフリーで会話をしていると、電話の最中にPCに向かって記録を入力でき、ずいぶんと効率がよくなりました。
以前の記録や書類を確認するときも、両手を使って自由な姿勢で作業できるため、「ちょっとお待ちください。今、書類を探していますから」ということも無くなり、スムーズなやり取りができるようになりました。
MDA200は、ビジネスフォン用の本格的なヘッドセット装置(3~4万円)と比較すると、とても安価にハンズフリー環境を整えられます。Plantronics Voyager PRO UCなどの専用のヘッドセットを使うと、ワイヤレスで利用できるようなので、いずれ挑戦してみたいと思います。