職場のうつに関する10の誤解と偏見(後編)

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 職場復帰してきたうつ病の社員に対して、どう接すればよいのでしょう。前回に引き続き、適切な対応やスムーズな職場復帰のさまたげとなっている、職場のうつに対する誤解や偏見をご紹介します。

誤解6:うつ病を治してから働くべきだ

 うつ病の治療は「自宅療養」と「職場復帰」の2つの段階に分かれています。まず、自宅療養で「何とか出社して最低限の仕事をこなせるレベル」まで回復します。次に、職場復帰してから「通常の仕事がこなせるレベル」へと少しずつ回復していきます。

誤解7:うつ病の人は仕事ができない

 うつ病になると、体力や集中力など「仕事力」が一時的に低下します。順調に回復すれば、半年ほどで「以前と同じように仕事ができるレベル」になります。しかし、それまでの間は、無理をすると病気が再発するおそれがあるため、一時的に業務負荷を軽減して対応します。

誤解8:うつ病の人には仕事を任せられない

 職場復帰直後は、体調に波があったり、作業に時間がかかったり、正確さに欠けたりします。それらはうつ病の症状です。半年ほどすれば以前の状態に回復していきます。ただし回復が遅れるケースもあります。

誤解9:うつ病の人はなまけものだ

 うつ病の背景にはいろいろな要因があります。熱心にバリバリ仕事をする人も、それなりの人も、どちらもうつ病になる可能性があります。また、職場復帰後は一時的に仕事力が低下しており、再発防止のために業務負荷を軽減する必要があります。

誤解10:やさしい言葉で接しなければならない

 職場復帰から数ヶ月間は、疲れやすかったりストレスを感じやすかったりします。だからといって、接触を避けたり、過保護になったりする必要はありません。「大変な病気を経験し、不安を抱えながらも、職場復帰をがんばっている同僚」に対して、普段どおりに接すればOKです。ただし、ぶっきらぼうな口調やきつい言い方はストレスに感じることも多いため、避けた方がよいでしょう。

まとめ:「接し方の目安」がわかればストレスも減る

 「うつ病の社員への接し方がわからない」という不安やストレスを減らすためには、正しい知識が必要です。職場での対応方法のガイドラインを参考にしながら、困ったことがあれば人事担当者や産業医と相談してください。