『安全と健康 10月号』に「ハラスメント相談窓口との効果的な連携」の記事を書きました

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雑誌『安全と健康』 2015年10月号に「ハラスメント相談窓口との効果的な連携」について記事を書きました。

健康相談窓口とハラスメント相談窓口は、どちらも企業が安全配慮義務を果たすために重要な役割を担っています。ハラスメントとメンタルヘルスの問題は相互に関連していることもあり、きちんと連携できていないと問題解決が遅れたり、こじれたりするリスクもあります。

記事では、それぞれの窓口が効果的に連携するために、それぞれの窓口の対応のしくみ、連携のタイミングや方法などについて、説明しました。

記事に書けなかったコト

担当者からお話をうかがっていると、ハラスメント対応には独特の難しさがあることがわかりました。

(1) 職場への事実関係のヒアリングに神経を使う

ひとつは、職場への事実関係のヒアリングを行うことの難しさです。適切な情報収集が行えるように、なおかつ、プライバシーが適切に守られるように、嫌がらせや報復行為が行われないように、現場に新たなトラブルが生じないように、いろいろと気をつけなければなりません。

(2) 会社の決定がいつも相談者の意に沿うとは限らない

ハラスメント相談では、最終的に、社内規定などに従って、どのような措置や処分を行うかを会社が決定しなければなりません。しかし、その結果が相談者の希望どおりでなかった場合に、「会社は自分の被害を深刻に受け止めてくれなかった」とか「会社は加害者をかばった」と、相談者がさらに傷ついてしまう可能性もあります。

(3) 再発防止の措置をどのくらいの期間続ければよいか

再発防止の措置として、行為者もしくは被害者を異動させることがあります。しかし、同じ会社にいる以上、今後、ふたたび近くの職場に異動することもありえます。もし、それを不安に感じた人から、「相手の異動を取りやめてほしい」とか「代わりに自分を異動させてほしい」という相談があった時に、会社はどう対応すれば良いのでしょうか。

専門家には関係者の足並みをそろえるスキルが要求される

メンタルヘルス不調の対応の場合もそうですが、ハラスメントの対応においても、社内の関係者や担当者の間で認識が異なっていると、それぞれの対応が食い違ってしまい、混乱の原因になるようです。

「事実」と「望ましい対応」、その「根拠」(法令、規則、判例、診断基準、ガイドラインなどのエビデンス)について、関係者にわかりやすく説明し、不安や誤解を解消しつつ、足並みをそろえて対応できるようにするスキルが「専門家」には求められるのだと思います。

もちろん、すべての領域に精通した専門家はいませんから、「ハラスメントの問題の担当者」、「メンタルヘルスの担当者」、「人事制度の担当者」など、社内の担当者がお互いに協力し、連携できるようにすることが必要でしょう。

本当に解決するまでのフォローアップも重要

メンタルヘルス不調者への職場復帰支援においては、「病状が回復して、出社できたから対応は終わり」ではなく、「その後、体調が安定し、職場で通常の勤務が出来るようになるまで支援を続ける」ということが重要です。

ハラスメントの対応においても、「事実関係を調査し、会社としての結論が出て、措置を行ったから対応は終わり」というのではなく、問題が解決し、通常の業務や生活に戻れるまで、専門家として従業員や職場を支援することも重要なのでしょう。ハラスメント相談窓口でも、ある程度の期間をおいて、フォローアップの連絡や面談を実施しているそうです。

こうしたフォローアップに関しても、ハラスメント相談窓口と健康相談窓口がうまく連携できると、より効果的かもしれません。