職場のメンタルヘルス 困難事例への対応

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雑誌「産業保健と看護 2015年4月号」(メディカ出版)の巻頭特集「効果的な復職支援 うまくいった! メンタルヘルス ”困難” 事例集」に、私が執筆した記事が掲載されています。

「プロセスを改善して、再休職を防ぐヒント」として、メンタルヘルス不調の復職支援において再休職の原因となるポイントとその対策について解説しました。

復職後の再発を防ぐポイント

記事の中では、復職後の再発を防ぐポイントとして、体力や生活リズムが十分に回復してから復職する方法や、復職後も3〜6ヶ月間の業務負荷を軽減する方法、また「生活記録票」や「復職プラン記入用紙」、「復職支援のチェックリスト」などのツールを紹介しています。いずれも、このブログでもご紹介したものです。

記事に書けなかった「難しい事例」への対応

ここでは、雑誌の記事では十分触れられなかった部分を、少し説明したいと思います。上記のような取り組みによって、復職後の再発は大きく減り、ほとんどの人は元気に仕事ができるようになります。しかし、中には、復職時の調整が難航するケースや、職場の環境にうまくなじめず体調が不安定になるケースもあります。

このような事例では、さまざまな問題が複雑に絡み合っていることが珍しくありません。例えば、本人の業務スキルの問題、周囲とのコミュニケーションの食い違いの問題、職場のサポート環境などの問題があります。また、職場のハラスメントが関連していることもあります。

問題が繰り返される仕組みに注目する

そうした事例に対応するときには、「病気」や「症状」だけでなく、職場のさまざまな要因が相互に影響しあって、問題が繰り返されてしまう、独特の「仕組み」に注目する必要が有ります。

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例えば、(1) 本人のスキル不足やコミュニケーション不足などがあり、(2) 仕事で困っていることをなかなか上司に相談できないという事例があったとします。その結果、(3) ミスやトラブルなどが発生してしまい、(4) 上司から注意されてしまいますが、(5) 本人はつい「自分は悪くない」と言い訳をしてしまうので、(6) 上司を怒らせてしまいます。(7) 上司はつい「もっとちゃんとしろ!」と叱りますが、(8) 本人は、何をどうちゃんとしていいのかがわかりません。

実は、仕事の進捗が遅れてトラブルが生じそうな時も、(9) 本人は経験不足からそのことになかなか気づかず、(10) タイミングよく上司に相談できないのです。(11) 何度も注意を受けるうちに本人は自信を失い、(12) 不眠や頭痛、集中力の低下などの症状が現れ、(13) ますます仕事が進まなくなり、最近では (14) 上司の顔を見るだけで緊張してしまうようになりました。

問題が繰り返される悪循環をみんなで断ち切る

上記のように、本人や上司の行動もまた「問題を繰り返す仕組み」の一部になっています。仕組みを明らかにするためには、関係者から多面的に情報を集めなくてはなりません。

そして、職場で実行できる対処法を考え、関係者の足並みをそろえながら、少しずつ実践していきます。時には、キャリア相談窓口やハラスメント相談窓口とも連携することもあります。

職場のメンタルヘルスの問題には、このように、いくつもの要因が絡み合うことが珍しくありません。問題が繰り返される悪循環をうまく断ち切り、みんなが元気に働ける環境を作っていきたいと考えています。