専門用語を使わないメンタルヘルス対策

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これからの職場のメンタルヘルス対策を考えるときには、「どんな言葉を使うか」「どんな名前をつけるか」ということがとても重要になります。難しい専門用語を使うと、メンタルヘルス対策が「一部の専門家の仕事」だと思われてしまいます。誰にでもわかりやすい言葉を使うことで、関連部門の協力が得やすくなり、活動が組織全体へ広がっていくことを期待しています。

「専門用語」のメンタルヘルス対策

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これまでの職場のメンタルヘルス対策には「一次予防、二次予防、三次予防」という用語や、「セルフケア、ラインケア、事業場内スタッフによるケア、事業場外の専門家によるケア」などという用語が用られてきました。こうした言葉を用いることで、企業が行うべき対策を明確に定義できたため、職場のメンタルヘルスの取り組みは大きく前進してきました。

しかし同時に、こうした言葉は「健康管理の専門用語」という印象を与えるため「メンタルヘルス対策は一部の専門家が実施する活動」だという誤解を招くこともあります。そのため、職場のメンタルヘルス対策が「健康管理活動」の枠の中に閉ざされてしまい、リソースや予算の確保などにおいて「活動の限界」に悩まされています。

「わかりやすい言葉」のメンタルヘルス対策

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これからのメンタルヘルス対策を推進していくためには、健康管理部門と関連部門との連携が求められます。そのためには、健康管理の専門用語ではなく、相手にわかりやすい言葉を用いて説明することが大切です。いろいろな分野の専門家と、共通の言葉を使って議論をする中で、これからのメンタルヘルス対策の新たな展開が生まれてくるのではないかと期待しています。

(1) 発生した個別のメンタルヘルスの問題への対応
・従業員への相談対応
・管理職への相談対応
・休職者の復職支援
・ハラスメント事例の対応
・勤怠不良事例の対応
・パフォーマンス不良事例の対応

(2) メンタルヘルスの問題の早期発見・早期対策
・管理職教育
・相談窓口の整備
・広報・啓発活動

(3) メンタルヘルスの問題の発生予防
・人材開発
・組織開発
・働きやすい制度づくり(環境づくり)
・ハラスメント対策
・キャリア開発支援
・コンフリクトマネジメント