社員100人に聞きました「ストレスに対処する30の方法」

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全社員面談をしていると、多くの社員から「仕事が多いことがストレスになっている」という話を聞きます。じっくりと話を聴いてみると、具体的な状況やストレス対処法などは人それぞれで異なるようです。

ストレスに対処することを「ストレス・コーピング」といいます。他の人のコーピング・スタイルを知ることは、ストレスマネジメントにとても役に立ちます。「仕事が多い」という代表的なストレッサーに対する、皆さんの反応や対処法を見てみましょう。

一口に「仕事が多い」と言っても状況はさまざま

・仕事量や納期に対して人手不足が続いている。
・その業務を担当できる人が少なく、仕事が集中してしまう。
・案件やトラブルが重なってしまった。
・あれもこれもと、やることはいくらでもある。
・品質を高めようとすると、いくらやっても終わらない。
・手一杯の状況でも、仕事を頼まれると断れない。
・今までの仕事に加えて、新しい仕事が増えた。
・メンバーに仕事を振りたいが、自分でやった方が早い。
・こっちの状況などお構いなしに仕事が入ってくる。
・調べたり勉強したりすることが多い。
・自分の適正や能力と仕事のミスマッチを感じている。
・仕事が複雑化している。付帯業務も多く、納期も短い。
・新しい仕事や組織にまだ慣れていない。
・忙しいところに、緊急の仕事が割り込んでくる。

ストレスに対処する30のコーピング事例

(1) 積極的に解決を図るコーピング

・抱えている仕事を整理し、優先順位の高いものから片付ける。
・理想論ではなく、現実的で合理的な計画を立てる。
・チームで仕事を分担するようにやり方を変える。
・手一杯な時は仕事を受けない。あるいは調整を試みる。
・自分だけで解決しようとせず、早めに人に尋ねる。
・仕事の方向性を上司に確認しながら、ムダなく進める。
・仕事量、人手不足、納期について管理職に相談する。
・トラブルにならないようあらかじめ手を打っておく。
・とにかく一生懸命がんばる。

(2) 問題から離れるコーピング

・家に帰ったら仕事のことを忘れるようにする。
・お酒を飲んでリラックスする。
・家族と話をしていると仕事のことを忘れられる。
・休みの日は社外の友人と過ごす。
・仕事とは関係ないプライベートの時間を楽しむ。
・疲れがたまってきたら有給休暇を取って休む。
・時々、自分へごほうびをあげる。
・温泉に行く。おいしいものを食べる。
・よく寝る (時々、寝られないときは睡眠薬を飲む)。

(3) 周囲に相談するコーピング

・同僚、先輩、友人にグチをいう。相談する。
・上司に相談する。
・産業医に相談する。
・友人に電話をする。
・社内のキャリア相談を受ける。

(4) 解決を見送るコーピング

・忙しいのは来月までなので、それまでがんばる。
・異動や組織替えを期待して待つ。
・やるしかないと、ひとつずつ片付けていく。

(5) 行動や感情を抑えるコーピング

・カッとなってイライラしそうなので、考えないようにする。
・どうにもならないとあきらめて、考えないようにする。
・あまり気にしないようにしている。
・誰にも言わずにがまんする。

どんなコーピングでも、自分に合っていればOK

コーピングのやり方に良し悪しはありません。自分の考え方にマッチしていて、ストレスがたまらないようバランスがとれていればいいのです。

ただし「一生懸命がんばる」「がまんする」というコーピングをいつも選んでいる人は、疲労やイライラがたまりやすいので注意が必要です。

「今よりもストレスを減らしたい」と思ったときには、周りの人のコーピング・スタイルを参考に、自分のやり方を見直してみましょう。心身に不調が出てきたときには、早めに産業医に相談してください。

参考記事
ストレスに強い「考え方」を身につける
ストレスに負けない仕事術1 (ストレス・コーピング基礎編)
ストレスに負けない仕事術2 (ストレス・コーピング実践編)



この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。