チームを運営できる産業医に、なりたいなぁ~

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最近ずっと、社内の産業保健プロジェクトの企画書を書いていました。

プロジェクトといっても大した内容ではありません。「禁煙に関するポスターを作成して、毎月社内に掲示しよう」というだけのことです。やろうと思えば、明日からでも、僕ひとりだけで始められます。しかし、それでは「単なる思いつきの行動」と何ら変わりませんし、チームとしての活動にも発展しません。
 
「企画、提案、プレゼン、会議の運営、チームの立ち上げ、プロジェクトの運営」……。ふつうの会社員は当たり前に行っていることですが、以前の記事に書いたように、僕にとってはどれも初めて。本を買ったり、上司や同僚に相談したり、友人にアドバイスをもらったり、苦労の連続です。

産業保健活動の「効果」は10年後?

例えば、販売促進の企画であれば、その最終的な目標は、見込み客の増加、新規顧客の獲得、優良顧客へのサービスなどを通じて「会社の利益を増やすこと」です。

産業保健企画の最終ゴールは「社員の健康という企業の根幹資源の管理に貢献すること」です。社員の健康度アップ、と言えば少しわかりやすくなります。しかし、売上げアップやコストダウンなどと比べると、成果を数字で示すのが難しく、効果が出るまで時間もかかります。

「禁煙のポスターを掲示する」という今回の活動の最終目標は「肺ガンの減少」ですが、その結果が出るまでは10年以上かかるでしょう。そもそも、ポスターの掲示だけでは「禁煙する」という行動には直接つながりません。せいぜい「禁煙への関心度アップ」が妥当です。これを数字で示すには、前後でアンケート調査などを行う必要があります。

事業主、社員、チーム、それぞれのメリットは?

産業保健企画の「顧客」は、サービスを受ける社員と、社員を雇用する事業主です。それぞれ立場によって、活動への期待は異なります。また、産業保健チームにもいろいろな考えの持ち主がいます。「禁煙のポスターを掲示すること」のメリットは何か、事業主、たばこを吸う社員、吸わない社員、産業医、保健師、衛生管理者、それぞれに説明できなければいけません。

東に社長がいれば「肺ガンの死亡者が減ります。受動喫煙対策は法律でも定められています。喫煙問題は社内でも関心度が高く、改善すれば社員の満足度が向上します。」とアピールし、

西に喫煙者がいれば「たばこをやめれば病気になりませんよ。どうせ吸うなら、いい環境の喫煙室で吸いましょう。必要なら禁煙のお手伝いをします。」と言い、

南にたばこを吸わない社員がいれば「喫煙室を整備すればにおいも漏れません。みんなが利用でき、職場のコミュニケーションを活性化できる場所も作りましょう。」と声をかけ、

北に産業保健チームがいれば「最初は小さな活動でも、社員の関心度を高め、ニーズを調査し、今回の結果を生かして、今後、効果的な活動へとつなげていきましょう。」とやる気を引き出す。

そんな産業医に私はなりたい……なぁ(笑)。

スーパー産業医への道

ニーズ調査、企画、立案、実施、効果評価と、一連の運営サイクルを回すのは大変なことです。このような手続きを踏まずにイベントだけを実施することもできます。同じような活動内容であれば、効果に大差は無いでしょう。

しかし、手順を踏んで行われた企画は社員にも受け入れられやすく、チームのモチベーションも高くなり、結果を次に生かせば、より質の高い活動へと発展していけます。何より、チームで活動すれば、ひとりで活動するよりもずっと大きなことができるのです。

「産業保健スタッフをまとめ、チームを運営すること」は、産業医に求められる上級スキルです。来週にはチーム内での会議があり、その後、会社側に提案するプレゼンの機会もあります。雨にも負けず、風にも負けず、チームの力を借りて、ぜひ、この企画を成功させたいと思っています。