2010年度のインフルエンザ対策

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 昨年4月メキシコで発生したH1N1新型インフルエンザは、その後、日本を含め世界中で爆発的に流行し、「パンデミック」を引き起こしました。当時は連日のようにマスコミに取り上げられ、空港での検疫が行われている映像を目にした人も多いことでしょう。

 パンデミックは私たちの身近な生活にも影響を与えました。例えば、マスクや消毒液などの感染予防グッズが品薄になったり、幼稚園や学校などが学級閉鎖になったりしました。

 幸いなことにH1N1新型インフルエンザの毒性は弱く、恐れられていたように多数の死者を出すことはなく、国民生活や社会機能が大きくマヒするような事態も起きませんでした。

まだまだ警戒が必要

 2010年8月10日、WHOはパンデミックが終息期に入ったことを宣言しました。日本政府も8月27日、国内のパンデミックは終息したと宣言しました。こうしたニュースをみると、新型インフルエンザの流行は終わり、あたかも例年どおりになったかという印象を受けます。

 しかし、完全にいつも通りというわけではありません。国民の多くは新型インフルエンザに対する免疫を持っておらず、新型インフルエンザが流行しやすい状況には変わりがないからです。

 この秋からのインフルエンザのシーズンは「パンデミックの第二波」と考えられています。新型インフルエンザへの警戒は、もう少し続くのです。

企業内での感染防止対策

 社内の感染症対策において、まず考えるべきことは「職場内での感染拡大を予防する」ことです。インフルエンザ感染を社内で広げないための以下の行動指針を周知徹底することが必要です。

①熱があったら出社しない

 社内でインフルエンザの感染を広げないためには、症状があったら社内に立ち入らないことが重要です。

 体調がおかしければ出社前に自宅で検温し、37.5度〜38度以上の発熱がある場合は、出社せずに病院で診察を受けます。インフルエンザかもしれないと診断された場合は、出社せず自宅で治療を行います。

②手洗いをしっかり

 インフルエンザのウィルスは、咳やくしゃみのしぶきに含まれ、感染者の周囲に飛散します。ウィルスはエレベーターのボタンやドアノブなどに付着し、そこに触った人の手にくっつきます。そのままうっかり目や鼻や口を触るとウィルスが体内に侵入するのです。

 こうした感染を防ぐためには手洗いが有効です。食事前には石けんを使って汚れをきちんと洗い落とします。

③セキが出たらマスクをつける

 ウィルスの飛散を防ぐためには、咳をしている本人がマスクをつけることが効果的です。マスクが無いときは、ティッシュやハンカチ、あるいはひじの内側で口元をおおいます。

④10月〜12月上旬までにはワクチン接種を

 インフルエンザワクチンは、インフルエンザの流行を防ぐ確実な方法の一つです。ワクチンを打つと、インフルエンザにかかりにくくなり、かかった場合も重症化を防ぐ効果があります。

 ワクチンの効果は接種してから2週間後に現れ、約5ヶ月間続きます。インフルエンザの流行時期(12月下旬〜3月上旬)に備えるには、12月上旬までの接種をおすすめします。

 今年のインフルエンザワクチンには、従来の季節性インフルエンザと今回の新型インフルエンザの両方のワクチンが含まれる予定で、十分な量の供給が見込まれています。企業や健康保険組合などが、接種費用の補助制度を整えているところもあります。