PC作業の疲れ目、原因とその対策は?

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前回は近視・老眼・仮性近視など視力の低下についてお送りしました。今回のテーマは「疲れ目とその対策」です。仕事をしていると「目が疲れる」という状態をよく経験します。ピントがぼやけて見える、目の奥に痛みを感じる、目がゴロゴロする、充血する、肩こりや頭痛など、いろいろな症状に悩まされます。
 
パソコン作業(VDT作業)の目の疲れは「ピント調節の疲れ」と「目の乾燥」が主な原因です。

■ピント調節の疲れ

ディスプレイをずっと見つめていると、ピントあわせを行う毛様体筋は常に一定の緊張を強いられ、疲労してきます。このためピント調節力が低下し、遠くや近くを見た時に、なかなかピントが合わないことがあります。
遠くを見て毛様体筋の緊張をほぐすと、ピント調節の疲れを予防できます。1時間に1回、2~3分、「5m以上の遠く」を眺めましょう。窓の外でなくてもかまいません。
近視のひとは、毛様体筋を緊張させずに近くにピントをあわせられるという、お得な目の持ち主です。PC作業やデスクワークに支障がなければ、メガネやコンタクトレンズを外してみましょう。
老眼のひとは、PC作業用の老眼鏡(40~70cm)と、デスクワーク用の老眼鏡(30~40cm)を作りましょう。距離に合わせてメガネを適切に使い分ければ、目の疲労を格段に予防できます。

■目の乾燥 (ドライアイ)

目の表面はいつも涙でうるおっています。涙はまばたきを行うと目の全体に行き渡ります。ところがVDT作業をすると、目を大きく開いたり、まばたきの回数が通常の4分の1に減ったりして涙の乾燥が早まります。目の乾き、不快感、痛み、充血など、さまざまな症状が現れ、これをドライアイといいます。
ドライアイを予防するには、ディスプレイを目の高さよりも下に置き、目を伏せた状態で作業できるようにします。また、紙の書類を見たり、電話をかけたりといった業務を、VDT作業の合間にはさむようにします。加湿器の使用も効果的です。
ドライアイに対しては「涙の成分の目薬」を使いましょう。充血を取る目薬は、血管を収縮させる成分が入っており、ますますドライアイをひどくしてしまいます。防腐剤の入っていない、1回使い切りタイプのものがよいでしょう。
また、症状がある時はコンタクトレンズは避けましょう。症状が長びいたときは眼科を受診して下さい。

■疲れ目解消法

疲れ目の解消には適度な休憩が一番です。休憩中に次のような方法を取り入れてみてはいかがでしょうか。
【温冷法】 お風呂の湯加減程度(約40度)のお湯でしぼったタオルを目の上に3~5分間のせます。次に、水道水で冷たくしたタオルを、また目の上に3~5分間のせます。1回でも効果はありますが、2~3回くり返してもOKです。
【マッサージ】 眼球を強く押さないこと、雑菌が入らないよう手を清潔にして行うこと、椅子に深く腰掛けリラックスした状態で行うことがポイントです。5分くらいで疲れが取れてきます。自分の気持ちいいものを選んで行って下さい。
・こめかみのマッサージ……指をこめかみにあて、少し強めに押しながらゆっくりと円を描く。
・眉の上のマッサージ……指を眉の上の骨にあて、円を描く。
・目と眉の間のマッサージ……人さし指と中指を額に、親指を眉の下にあてる。親指の先を目のくぼみに入れ、心地よい程度に押す。
・目の下のマッサージ……指を目の下の骨にあて、少し強めに押す。
参考: セルフドクター.net 「疲れ目に効くマッサージ法は?」


この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。