生活習慣病Q&A / マンガでわかる生活習慣病

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僕が勤めている企業では、産業医と保健師が手分けをして、年に1度、全社員とひとりひとりお話しをするという「全社員面談」を行っています。その目的は、社員の皆さんが「自分の健康を自分で守る」お手伝いをすることです。今回は、面談のときに話題となることが多い、「生活習慣病」についての疑問にお答えします。

  Q1: 生活習慣病を治療するのはなぜ?
  Q2: 薬を飲み続けるのはなぜ?
  Q3: 特に自覚症状が無いのに治療するのはなぜ?
  Q4: 体重を減らせといわれるのはなぜ?
  Q5: 基準値がだんだん厳しくなるのはなぜ?
  Q6: 体質遺伝が原因だと思うけれど治療は必要なの?

Q1: 生活習慣病を治療するのはなぜ?
A1: 動脈硬化を招き、心臓発作や脳卒中を起こすからです

日本人の三大死因はガン(31%)、心疾患(15%)、脳血管疾患(13%)です。このうち心疾患と脳血管疾患をあわせると、ガンに匹敵する数字になります。心臓発作や脳卒中は高齢者の病気だと考えられてきましたが、現在では40代~50代で発症する人も増えています。命をとりとめても、重い後遺症が出て寝たきりになるなど、以後の生活が著しく不自由になる場合もあります。

心臓発作や脳卒中の原因は「動脈硬化」です。動脈硬化を起こした血管は、血管の壁が厚くもろくなって、血栓ができやすくなり、破れやすくなります。動脈硬化は老化現象のひとつですが、高血圧、糖尿病、高脂血症、高尿酸血症、肥満、喫煙などの要因があると、その進行は加速します。

生活習慣病の治療は、動脈硬化の進行を抑え、心臓発作や脳卒中による死亡や後遺症を防ぐために行います。

Q2: 薬を飲み続けるのはなぜ?
Q3: 自覚症状が無いのに治療するのはなぜ?
A2, A3: 動脈硬化の進行を予防するためです

自覚症状が無いことは、生活習慣病の特徴のひとつです。しかし、血圧が高い状態や血中脂質が多い状態のまま放っておくと、動脈硬化はどんどん進行していきます。そして突然、心臓発作や脳卒中のような重大な病気が起こることになります。動脈硬化の進行を抑えるためには、自覚症状が無くても治療を続け、血圧などを正常範囲に維持することが大切です。

Q4: 体重を減らせといわれるのはなぜ?
A4: 体重は生活習慣の目安であり、
    また、体脂肪それ自身が生活習慣病の原因となるからです

生活習慣病にはカロリー過剰、運動不足、ストレスなど、さまざまな生活習慣が関係しています。体重を測ることは、生活習慣を考える上でよい目安になります。また最近では、脂肪細胞から分泌される物質が、生活習慣病や動脈硬化に直接影響を与えることもわかりました。体重を減らすことは生活習慣病の改善につながるのです。

Q5: 基準値がだんだん厳しくなるのはなぜ?
A5: 軽度の異常でも、危険因子が重複すると
    心臓発作や脳卒中のリスクが高まることがわかったからです

「肥満ぎみ」「軽い高血圧」「軽い高脂血症」「軽い糖尿病」など、たとえ軽度であっても動脈硬化の危険因子を重複して持っていると、心臓発作や脳卒中を起こしやすいことがわかってきました。このような状態を「メタボリック・シンドローム」といいます。

日本の企業労働者12万人を対象とした調査では、これらの危険因子を1つ持つ人は、全く持たない人に比べて心臓病の発症リスクが5倍に、2つ持つ人では10倍に、3~4つ持つ人では何と31倍になるという結果が出ています。

Q6: 体質遺伝が原因だと思うけれど治療は必要なの?
A6: 動脈硬化を予防するためには治療が必要です

どんな病気にも先天的要因(遺伝)と後天的要因(生活習慣や生活環境など)の両方が関係しています。生活習慣病でも、家族にも同じ病気がある場合や、年齢や体重と比べて著しく数値が悪い時には、遺伝的な要素が強いと考えられます。その場合、生活習慣を改善するだけでは十分な治療効果が得られないことが多く、動脈硬化を予防するために早くから薬を飲み始めることもあります。

■ マンガでわかる「生活習慣病」

武田薬品工業株式会社のウェブサイトには「マンガでわかる生活習慣病」というコーナーがあります。あるサラリーマンを主役にしたストーリーは、マンガとしてもなかなか楽しめます。現在「生活習慣病」「高脂血症」「糖尿病」「心筋梗塞」の4つの作品が掲載されています。

生活習慣病を指摘されたフランス料理店のオーナーシェフや、再起をかける往年のアイドルが登場するなど、何となく『美味しんぼ』のような雰囲気でもあります(笑)。

◆「生活習慣病情報」(武田薬品工業)
  http://www.takeda.co.jp/pharm/jap/seikatu/index.html
◆「マンガでわかる生活習慣病」(武田薬品工業)
  http://www.takeda.co.jp/pharm/jap/seikatu/1/index.html

この記事は、私が専属産業医をしている企業内で配信しているメールマガジンの内容を、ウェブ用に書き直したものです。